レース展開と脚質

白熱する競馬レース

競馬におけるレース展開とは、主にペースのことを指します。
スローペース、ミドルペース、ハイペースの3種類があり、ペースによって最も影響が出るのが脚質です。

脚質は以下の4種類があります。

逃げ 先頭もしくは先頭付近を走る
先行 前から数えて2〜5番手もしくは馬群の先頭集団に位置する
差し 全体平均よりも後方の後ろにポジションを取る
追い込み 最後方もしくは馬群れよりも後ろにポジションを取る

競馬のセオリーとしては、ハイペースになると差し・追い込みなど後ろにポジションを取る馬が有利。
スローペースでは逃げ・先行が有利になります。
また、レース展開は出走馬の相手によって予測ができ、ライバルの状況や枠順の関係から楽に理想的なポジションを取れるかも重要になってきます。

レース展開の予想方法

レース展開はメンバー全体の脚質および本命馬の脚質から予測できます。
逃げ馬が多いレースの場合は、前のポジション争いが熾烈になるためハイペースになりやすいです。

逃げ馬不在や、期待できない人気薄の馬だけが逃げ予想の場合はスローペースが予想されます。
また、ハナ(先頭)を切って逃げる場合は騎手のペース配分が重要で、腕が良い騎手とペースの上げ下げを器用にできる馬との組み合わせだと、うまくスローペースで逃げることもできます。

重賞レースの駆け引き

単騎逃げを容易にできるメンバーであっても、逃げ馬が人気上位馬であれば、馬群れがなるべく離されないように付いて行くため、後ろからの圧力によってハイペースになる可能性が高まります。

競走馬のオッズや強い馬は騎手も把握しているもので、本命馬に勝つには相手と比較して不利なポジションを取らないことが必要です。
そのため、本命馬はどのポジションでも周囲からのマークが厳しくなり、差しや追い込みの脚質だとレース全体がスローペースになりやすいです。

予想ペースは競馬新聞やネットでプロの見解を手軽に確認できます。

脚質による優劣

全体的な傾向では、逃げがもっとも勝率が高く、先行、差し、追い込みの期待値になります。
前から進める競馬になるほど有利で、外的要因によって絶対に勝てない状況になってしまうことが少ないです。

僅差で逃げ切って勝利する馬

よく競馬のゴール前の直線では後方を走っていた馬が、ターボをかけたような周囲の馬を圧倒的なスピードで抜かしていく姿を見たことはありませんか?
追い込み馬が後方から最後の直線でごぼう抜きしているのは、ペースを上げているのはもちろん、前を走っている馬がスタミナ切れでペースを落としているためです。

逃げ、先行と最後の直線前に差をつけられていて、なおかつスローペースで前を行く馬のスタミナに余裕があれば、どれだけ最後の直線を速く走っても勝つのは困難です。

ただし、逃げや先行では力を出せない馬や、最後の直線の瞬発力に長けているなど差しや追い込みの方が適正が高い馬もいます。
新馬戦や条件戦など若くてランクが低いレースになるほど、逃げ・先行有利な傾向が強く重賞になると差し、追い込みで結果を出せる馬が増えてきます。

極論を言うと、レース展開に応じて脚質やポジション取りを変えて柔軟にレースを運べる馬が一番期待できます。
ただし、競走馬はレースで100%力を出し切るのは簡単なことではなく、得意な脚質に特化して常に同じ脚質を使うようにルーティング化した方が実力や持ち味を出すという面では安定感が高いです。